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令和7年第2回区議会定例会での発言
更新日
2025年6月27日
(令和7年6月3日(火曜日)、第2回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)
令和7年第2回定例会 区長発言
本日ここに、令和7年第2回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会および区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
1 初めに、防災についてです。
昨年元日に発生した能登半島地震から1年4か月が過ぎた本年4月、石川県は「避難所が全て閉鎖され、応急的な対応にめどが立った」と判断し、災害対策本部を解散しました。
また、今年は阪神淡路大震災から30年となる節目の年です。改めて、災害はいつ起こるか分からないこと、そして日頃からの備えが重要であることを再認識し、更なる地域防災力の向上に力を入れてまいります。
まず、災害への備えとしては、地域に密着し、誰もが参加できる防災訓練として実施してきた渋谷区総合防災訓練「渋谷防災キャラバン」を、これまで2年で11地区を回っていたものから、1年で11全ての地区で実施します。
また、災害時の広域避難も見据えて災害時相互応援協定を締結した自治体とは、平時から顔の見える関係を構築することが発災時の円滑な相互支援につながることから、行政間の連携はもちろん、各種団体で活動する区民にも平時の交流を積極的に行っていただきたいと考えています。
その他、避難者の生活環境改善のため、簡易ベッドの配備、入浴設備の提供など、本区だけでなく協定自治体や民間企業との連携による取組を進めてまいります。
2 次に、防犯対策についてです。
これまでも、青パトによる区内全域の24時間365日のパトロールや、通学路や公園などへの防犯カメラの設置、各ご家庭への自動通話録音機の貸出しなど、区民の日々の暮らしの安全・安心を守る防犯施策を進めてきました。
今年度からは、新たに、住宅への空き巣などの対策として、区民が住宅に防犯カメラやモニター付きインターホンなどの防犯機器を購入・設置した場合の補助を行っています。今月からLINEによる申請も可能となりましたので、ぜひご活用ください。
3 次に、公道カートへの対策についてです。
公道カート事業は、50CC以下のエンジンを取り付けた自動車、いわゆる公道カートを使って隊列を組み渋谷駅前などの観光名所を走行する事業で、主にインバウンド向けのアクティビティとして人気が高く利用者が増加している一方、運転者の中には走行しながら、叫んだり、はしゃいだり、また交差点で写真撮影をするなど、交通ルールを守らない者がいる状況です。
過去の事例では、住宅街に設けられた事業所で、エンジンの空ぶかしなどの騒音被害や、排気ガスによる悪臭被害などの問題が起こりました。
これまで、事業所が新たに開設される場合に、近隣の住民から不安の声が多く寄せられてきたことから、今後、区内で新たに事業所を開設する事業者には、所在地、責任者名、公道カートの走行台数や走行ルートなどを事前に区に届け出をさせることとし、さらに、周辺の住民に対して事業内容の説明を行うことを義務付けるため、本定例会に渋谷区安全・安心でやさしいまちづくり条例の改正案を提案しています。
4 次に、二の平渋谷荘のリニューアルオープンについてです。
開設から50年が経過し、建物や設備の老朽化が進んでいた二の平渋谷荘は、令和4年5月に閉館し、大規模なリニューアル工事を進めてきました。工事期間中はご不便をおかけしましたが、いよいよ来月1日から再開いたします。
新たな渋谷荘は、客室を30部屋から44部屋に増やし、サウナなど新しい機能も整備しています。子供から高齢者、学生など様々な世代に利用され、今後とも区民に愛される施設となることを願っています。
5 次に、本町CC本町コミュニティセンターについてです。
令和4年度から工事を進めてきた本町CC本町コミュニティセンターが、一昨日、グランドオープンしました。
この場所には、かつて渋谷区立本町小学校があり、本町東小学校、本町中学校と3校統合した渋谷本町学園が開校されてからは、渋谷本町学園第二グラウンドとして利用されていました。
新たな施設は、老朽化した周辺施設の更新、防災機能の強化、行政サービスの効率化や迅速化を目的とした区民施設、スポーツ施設、出張所、認定こども園などの複合施設です。
子供から高齢者まで幅広い世代にご利用いただける機能を備えていますので、多くの人に利用していただき、本町地区の新たなシンボルとなることを期待しています。
6 次に、福祉と子供の施策について2点申し上げます。
1点目は、日中一時支援事業の拡充です。
これまで、特別支援学校に通学する児童の健やかな成長と、保護者の就労などを支援するため、はぁとぴあ原宿において、放課後や長期休暇期間に児童の見守りや日常生活に必要な介護を実施する「日中一時支援事業」を区独自に実施してまいりました。
一方、対象児童が年々増えている中、区内では放課後などデイサービスの利用が飽和状態にあり、保護者から開設日の拡大や送迎支援の充実したサービスを求める要望が高まっています。
こうした課題に対応するため、本年秋を目途に、旧神宮前保育園にじのスペースを活用して、日中一時支援事業を拡充できるよう、本定例会に障害者福祉施設条例の一部改正案および事業の運営・維持管理に係る補正予算案を提案しました。
2点目は、第一子保育料無償化についてです。
こちらは東京都の事業となりますが、本年9月より、保育園の0歳から2歳までの第一子保育料無償化が開始されます。
本施策を進めるに当たっては、条例改正の必要がありますので、本定例会に議案を提案しました。
いずれもしっかりと準備を進め丁寧な周知に努めてまいります。
7 最後に、学校施設の建て替えロードマップについてです。
昨今の建設工事を取り巻く状況については、本年第1回区議会定例会の所信表明でも申し上げましたが、建設業界の人手不足の顕在化や週休2日工事の厳守化などは、その状況を冷静に見極め、対処する必要があると考えています。このため、現在、学校施設の建て替えロードマップの見直しに向けた検討に着手しています。
現状の建て替えロードマップでは、一律3年間の工事期間を予定していますが、これを再評価するため、現在、各学校の建築条件や周辺環境などを踏まえた、よりきめ細やかな工事期間などの検証作業を進めています。検証の後、中長期的な計画としてロードマップの見直しを行い、区議会には今年度中にその全体像をお示ししたいと考えています。
建て替えの時期は、子供やその保護者が進路の見通しを持つうえで重要なものであるため、教育委員会と連携し、スピード感を持って対応してまいります。
なお、本定例会には、広尾中学校および松濤中学校の建設工事に関わる契約議案を提案しています。昨今の建設市場に鑑み、価格や工期などを適切に設定し、学校運営への影響を最大限考慮したものとご理解いただければと思います。
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以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案9件、令和7年度一般会計補正予算案1件、契約案件11件、指定管理者の指定案件1件、同意案件3件、報告案件7件をご提案しております。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。